「住まい」というよりもっと原初な「棲み処」として建物を考えたときに、その要素は「雨露がしのげる屋根」があり、「自然や動物から身を守る壁」があり、「暖を取る料理をする炉」があるものだと思います。
ストーブは非常時のエネルギー分散からも、資源の循環からも優れた暖房器具ですね。
クッキングタイプであれば非常時にも活躍してくれます。
でも採用するには少し勇気もいります。
薪ストーブを採油する前に考えることをお話いたします。
ストーブの煙突から火災を連想し不安になる近所の方がいるかもしれません。
ちゃんとしたストーブは非常に燃焼効率がよく、火の粉などは飛びませんができるだけ乾燥した薪を使い煙も出ないようにする必要があります。常日頃近隣関係を良好に保つのが大切ですね。
他の暖房器具と違い移動が出来ません。
プランニングの段階から効率がよい位置を考えておく必要があります。もちろんリフォームにおいても採用することはできますが、新築であればより良い位置を設定することが可能です。
ストーブガードも有りますが、物心が付いたら危険なことも教えましょう。
一番の心配は子供の友達が遊びに来たときです。自分の子は熱いのをよく知っています。でもストーブを見たことが無い、家庭の中での火を見たことが無い子は沢山います。
小学生低学年ではストーブガードは必要です。
ノーメンテナンスで過ごせるストーブはありません。
定期的な灰の処理から煙突掃除など手間はそれなりにかかります。
特に煙突掃除は燃焼効率を維持するために大切です。
この作業を自分でやるか業者に委託するかで維持費に大きな違いが出ます。
最近では自分で安全に煙突掃除ができる道具が出ています。屋根に上らないでも安全に面たナンスができて維持費を抑えられる方法を考えてから導入するのがおすすめです。」
壁からの距離も火災を防ぐために必要です。
ストーブガードもかなり場所を取ります。
またストーブ周りには今夜の薪や専用小物も置きたいのでやはりスペースが必要です。
本格的に主暖房で使うとかなりの薪が必要になり、
屋外に屋根のある薪置場が必要です。
秋口からは薪の調達が忙しくなり、日曜日はほとんど薪の調達ということになりかねません。
間伐材を林業関係の人に頼んでおくとか、薪の配達なども有りますので情報を集めましょう。
主暖房ではそれなりのサイズが必要になりますので熱容量と熱が回る間取りが必要です。
週末の楽しみで他にも暖房器具があればサイズにこだわらなくてもいいでしょう。
それぞれの楽しみ方で相応しい機種を選びましょう。
バーモンドキャスティングで機種はアンコール
トラディショナルなスタイルでクッキングストーブの代表格です。
触媒方式の燃焼は未燃焼ガスまで再度燃焼させることができるため煙突からの排気もきれいです。
煙突分はチムニー方式とし、建築工事にて立ち上げた後2重管の煙突を入れています。
チムニーは屋根材と同じガルバリウムで仕上げています。
異種金属は使わない。屋根工事の基本です。
上部を2重管にすることで煙突の冷えを防ぎ上昇気流を助けます。
平屋の115㎡全体を一台でカバーし、冬の暖房はこの一台だけです。
バーモンドキャスティングで機種はアンコール 中型の機種で調理までしたい方には最適。
子供と友達が遊びに来た時など心配なのでガードを置いています。
ストーブは本体はもちろんですが煙突部からの輻射熱が期待できるため室内に露出するのは有利です。
新築ではプランの段階から置く場所を検討し効率の良いレイアウトを検討します。
壁は耐熱の工夫が必要です。レンガなどで囲うレイアウトをよく見かけますが内装のバランスを考え違和感のない工夫をしたいと考えています。
こちらもアンコールです。
ストーブの効率を上げるには建物の中央付近にストーブを設置することです。
燃焼の効率を上げるには曲りの無いストレートな煙突にすることです。
両方の条件がそろうことがベストですが、ストーブ最優先での間取りづくりをするのもまた少し違うと思います。
出来るだけよい条件を考えるのも大切ですが、次善の策も大切です。
今回は建物の中央付近に配置はしましたが、煙突は90度曲りです。
燃焼効率は全く心配がありませんでしたが、唯一90度曲りの水平部分にすすがたまりやすく、メンテの手間が増えてしまいました。