世代を繋ぐ改修が思いを繋ぐ

古い柱に新しい床 建具も古いまま
古い柱に新しい床 建具も古いまま

 アーキクラフトは開業し21年目を迎えています。

 

 20年前に設計したお住いの改修のご依頼もいただく歳月となりました。

 

近年は古民家から昭和の住まいから世代を超える過度期の建物に多くめぐり合うようになりました。

そこで思うのは暮らしの痕跡を残す改修が世代を繋ぐということ。

 

 永い年月支えてくれた柱は隠すのではなく表に出す、永い間隠れていた天井上の梁はアクセントとして表に出してみる、古い床板も再生し壁材として新な表情を表に出すなど。

普通ならボードを張り隠してしまうところもあえて表に出すことで住まいの履歴や先代の思いが苦労がしのばれ永く使うという実感が湧いてくると思います。

 また、今では少なくなってしまった手仕事を住まい人に知っていただきたいとの思いもあります。

 

 

 


経年変化と劣化の違い

鴨居跡と鴨居を受けた貫き後
鴨居跡と鴨居を受けた貫き後

 木造の良いところは経年変化が必ずしも劣化につながらないということ。

ビニール素材や樹脂素材は劣化してみすぼらしくなると感じていますが、木をはじめとする自然素材は経年変化で味わいが増すのだと感じています。

 

真新しい床材に古い柱の取り合いも新鮮です。

無理に古いものに色を合わせることをしなくても自然に馴染んでいきます。

 

古い土壁の漆喰も貴重です。

一般的な改修では古い漆喰壁などはその上にボードを張りクロスなどを張りきれいに仕上げます。

でも今だからこそその漆喰は貴重なのです。

改修側としては同じように再生できないから、どう再生していいかわからないから、技術がないから、古いものをいいと思わないから、などという理由で隠されてしまいます。

 

 また住まい手の多くもそこに思いが至らず、または古いものを嫌い、隠すことで見た目きれいになることを求める気持ちもわかります。

でもそれは残念なことだと私は思います。

 

 

 


新しい素材だけが機能性が高いわけではない

古い竹の落とし掛け 塗り直した漆喰
古い竹の落とし掛け 塗り直した漆喰

 断熱性や耐震性能を上げてく都合上古い部分を撤去しなければならない、隠さず得ないことは多々あります。

特に建物の外周部では既存の壁を残すことはほぼ不可能です。

でもそこには性能を上げるためという理由があり、改修の目的でもあるので致し方ありません。

 

 外周部に比べると内部の壁は比較的残しやいので既存を残すことを考えてみる価値は十分にあります。

下地がしっかりしていれば昭和初期の土壁下地でも既存の壁に上塗りをすることもできます。

繊維壁は表面を剥がして漆喰や土壁を塗ることもできます。

 

 少し話が知それますが、機能性壁紙なるものがあります。

抗ウイルス壁紙

湿気吸放出壁紙

抗アレルギー壁紙

消臭・抗菌壁紙

 

 これらの機能は手軽に土壁(漆喰など)の機能を再現したものですべて昔からの左官壁には備わっている機能です。


馬小屋の力強い梁に新たな土壁
馬小屋の力強い梁に新たな土壁

例えば

 抗ウイルス:漆喰の壁は強いアルカリ性で、抗菌作用があるといわれています。

またその保湿性能からウイルスの生育に適さないとも言われます。

保湿効果という面では同じくエアコンを使い環境でもビニール壁に比べ漆喰などの左官壁は湿度を長く保持します。

 

例えば

 静電気を帯びにくい漆喰壁には埃が付きにくく、埃がかびを呼び込むことも少なくなり清浄な空間を維持できます。

埃が付きやすい素材とつきにくい素材があります。

ビニール系や合成樹脂の素材は帯電しやすく、部屋の空気中の埃を吸着するといわれています。特に家電製品の背面などでは静電気が大きく埃がたくさんついてしまいます。埃は湿気を呼び、カビを呼びます。

 

 古くなっても味わいを増す素材でありながらこのような機能がある左官壁はもう一度見直していいと思います。

もちろん左官壁でも樹脂をたくさん使うものもありますが、できるだけ昔ながらの自然な素材を優先して使っていければいいと思います。

 

 


手仕事を身近に感じてもらいたい

長押や貫きなど時代の痕跡
長押や貫きなど時代の痕跡

 先代、先々代の時代が部屋の中に痕跡としてあることはなんだかいいと思うのです。

ありがとうっていう気になる。

そんな改修ができれば世代がつながることに貢献できたかなと思います。

 

 また、今では少なくなってしまった手仕事を住まい手に知っていただきたいとの思いもあります。

 

 ホゾ穴や仕口など今では貴重な手仕事を見ることができます。

当時の職人は見せるために腕を振るったわけではありませんが、消えつつある職人文化を暮らしの中に現し、誰かの手仕事を日々眺めていただきたいと思うのです。

 

 おじいちゃんのいたずら書きや背丈の刻みなどもほのぼのしていいものです。

 

 


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