小川町 畑打つ青山の家  2024.8~設計 2025.8 竣工予定です。

60歳から住む場所を選び直す。

とてもエネルギーのいることだと思いますがその行動力は素晴らしいと思います。

性能的にはエネルギーはほぼ自給し、蓄電も行います。その上で建物性能は Ua値0.27 C値0.3を予定しています。

 

住む場所を選び直す過程で子育て世代との違いは「失敗できない」ことにあります。リカバリーに使うエネルギーと時間はもうないのです。

子どもや孫、そして両親などシニア世代の暮らしにはしがらみがたくさんあります。

子育て世代の移住住み替えとはわけが違うのです。

全てを解決する必要はありませんが、整理は必要です。その上で一つ一つ解決したり、先送りしたり、諦めたり。

設計の立場で手伝えるのは、土地探しと土地の評価、暮らしやすく、安心な土地選びは手伝うことが可能です。

 

 お知り合いになったのはもう2年ほど前

まだ土地を探し始めたばかりの頃でした。

一緒にたくさんの土地を見て歩きました。

契約寸前まで行って諦めた土地もありました。

結果、南に開けた農地付きのこの土地に巡り合いました。

 

 市街化調整区域にです。

なので地目が農地の部分には家は建てられません。

でも良いのです。大きな家は必要ないし、畑をやりたかったので願ったりです。

古くから人が暮らしてきた古くからの農村集落、きっと暮らしやすい土地です。

 

 出来るだけエネルギーを使わない暮らし、なおかつできるだけ自給したい。

そのための農地です。

 

 住まいのハードとしてのつくり方にもこだわります。

出来るだけ製造にもエネルギーが掛からないように、地域材を使った手刻みといいたします。

 

 

 

完成写真 撮影

完成を迎えました、外構等エクステリアはお住まいになられてからになります。

いったんは建物完成として写真を撮影いたしました。

当初のイラストと比べてほぼ予定通りに仕上がりました。

2025.8 室温性能確認

丁度のよい灼熱の8月下旬室温確認

 

モニター温度計をセットして≒4日間のデータをとりました。

室温設定は床下エアコンを27℃オートに設定

 

夜間は2時間おきにエアコンは稼働し、≒15分程度稼働して休止で27℃をキープしている。

外気温が27度以上下がらないのか断熱が昼間の熱をため込んでいるのか?

それでも3時ごろからはエアンコンは動いていないで10時ごろに夜間と同じく15分ぐらい可動、そこからは1時間おきに15分ぐらいの稼働になる。

この程度であれば床下エアコンであることから風を感じることはほぼ無く輻射冷房的な体感であると思われる。

 

外気温38℃の時の窓面・壁面・天井面・ドア面などのデータもとる。

以外に内障子がいい仕事をしていて、内障子面で28.3℃ 障子を開けたガラス面は33.8℃となっている。

空気がこもって温度があがるせいもある思うがいい仕事である。

南側天井面:26.5℃

玄関ドア面:28℃

その他にも確認し28度を超えている部分は無かった。

この性能から行くと7月8月は24時間オートでエアコンを稼働するとエネルギー負荷も少なく快適であるとお勧めしました。

 


2025.8 機器取付など

太陽光は6.16kwに室内置きタイプの蓄電池です。

ほぼ電気を買う必要が無い仕様としています。

分電盤もこのように通常電灯とダブルになります。

 

電気配線はかなりパワコン・分電盤周りは込み合ってきますので、通常の壁厚の中で納めようとすると大きな断熱欠損が生じます。

工夫としてはいったんすべての配線は室内に引き込み、新たな配線用の壁を内側につくることです。

電気屋さんや太陽光業者さんにお任せではうまくいきません。

建築的な配慮が必要になるところです。

 

この家のエアコンは特別なことはせず、床下エアコン2.8kwを一台だけとしています。

床下エアコンは風をほぼ感じることなく輻射熱的な体感となります。


2026.8 外部内部ともほぼ完了

外壁もほぼ完了し、中の漆喰もほぼ完了 押し入れのすのこ棚や内部建具工事など

完了が見えてきました。


2025.7 外壁工事と内部漆喰

外部は杉板の20mmを目板で押さえます。

着色はあえてせずに「ウッドロングエコ」という自然塗料を浸透させています。

塗り替えの必要にない防腐保護塗料です。

色合いとしてはすでに築15年かなというぐらいの感じになります。

とてもナチュラルな仕上がりで気に入っています。

 

 

断熱に関して外部サッシはAPW330ですのでLOWーEの複層でUa0.27クリアーできています。

平屋は比較的外皮面積が小さいので通知が出やすいです。

更に性能を上げていく場合はトリプルガラスを使っていきますがここから上の性能アップは少し上げるためにたくさん費用が掛かります。

 


2025.7 外断熱工事等

外部の青いボードは石膏をベースにした耐力面材です。

構造用合板(べニア)でも必要耐力を確保することは問題ないのですが、透湿性能を考えた選定となります。

常時壁の中はドライにしておく予防措置です。

 

外に貼っているオレンジに見えるボードがフェノールフォームで厚みに対してとても性能が高く、余計に壁を厚くしないで済むことがメリットです。

 

更に輻射熱反射のシートを貼り込み、通気胴縁を施工し、断熱の外での壁内通気を確保しいるところです。

 

壁厚の合計は≒220mmとなります。

壁の厚みは断熱の厚み、高性能な建物は壁の厚みでわかります。

 

 


2025.6 壁断熱工事

サッシ取り付けが終わり外部耐力面材の施工が終わると壁の断熱工事となります。

今回の断熱材は屋根・壁ともセルロースの吹き込み断熱

壁は105mm

屋根は200mm

セルロース熱伝導率:0.04

内部のシートは透湿可変シートの定番・酒井化学のスカッドシート

 

屋根に関しては外断熱でフェノールフォーム60mm 0.02

壁は外断熱として同じくフェノールフォーム45mm 0.02

を施工していきます。

 

この時点でかなり遮熱効果を感じる現場です。


2025.6 屋根工事

上棟後の優先順位は在来工法の場合は屋根になります。

木造躯体をなるべく早く雨から守る日本の特徴的な進め方です。

上棟後すぐに天井板を落とし込み、上から断熱を行いいます。写真の白いシートは断熱が終わった部分です、

野地板を張り、防水紙を施工しています。

 

断熱に関してはこの上にさらに外断熱を行い、通気垂木を施工していきます。

埼玉の屋根断熱は北海道の冬の仕様と同程度にして夏に備えるべきです。


2025.5 上棟

上棟です。

今回は手刻みです。

手刻みの良さはなかなかこの場では伝えきれないのですが、大きなポイントととして材の適材適所が上げられます。

加工場に入れられた材はどれも個性があり、同じサイズでも使う場所場所で選ぶことができます。

人の目を活かすことができます。

「ここは見えるからこの材の方がいい」とか「この材の方が上からの荷重に強い」であるとか、そこにある個性を引き出すことができます。

 

納まりを「仕上がりを」つくり手がイメージできるので上棟してからの仕事もスムーズに進みます。

 


2025.3 基礎配筋工事

整然と鉄筋が組まれ基礎工事の中の鉄筋工事がほぼ完了です。

コンクリートは後からでもできた形を見ることはできますが。中に入っていいる鉄筋はこの時以降見ることはできません。

なのでこの段階では、瑕疵担保保険の検査などが行われ、図面とおりであるか、瑕疵が無いかなど確認を行います。

 

 


3.09 基礎工事が始まりました。

 北側には青山用水が流れます。

川が近いので心配していた地盤も調査の結果、荷重を受け止めるには十分な地盤で改良もいりません。

考えてみれば川の近くとはいっても、農業用水として開削された河川ですのでもともとの川では無いようです。

土はいつもの小川の土で石混じりで硬い土です。

小川町は山間なので全体的に礫混じりの固めの土が多いようです。

畑にするのは少し苦労するようなのだと思います。

でも有機の里として農業は有名です。

広い敷地です。

隣地境界からは4mとか確保できますから町場とは違いますね。

 

地業が始まりました。

お隣の桃の花がきれいな3月です。

 


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