住宅と違うだから非住宅
一般的な住まいの建築では、極端にスパン「大きな空間」が広がったり、大きな荷重が掛かることはほぼありません。
しかし」、非住宅では無柱空間が求められることが多く、かかる荷重が大きなことも出てまいります。
住宅との最も大きな違いはこの二つです。
「大きな空間」と「大きな荷重」
この二点が上手に解決できれば木造非住宅は現実的になります。
解決方法は同じく二点
「大断面集成材」と「トラス構造」
住宅では大きな空間とは言っても最大で5.5m、場合によっては6.0mがあるかどうという程度です。
しかし、非住宅では10.0m超えは当たり前で20mを要求されることもあります。
荷重もそうです、住宅では求められない重さも要求されてきます。
そのような場合の解決方法が、「大断面集成材」「トラス構造」となります。
大断面集成材のメリット・デメリット
大断面集成材は比較的取り組みやすい工法です。住宅の延長線上で現場作業もでき、採用しやすい工法です。
「大きな荷重の耐えられるメリット」
「大きな空間」とはいえ比較的小さな5~10mの空間に適し、大きな荷重に耐えられます。
2階建ての1階部分、上階に大きな荷重があり、それほど無柱の大空間が要求されない場合に使いやすい工法です。
「部材コストがデメリット」
デメリットとしては長スパンの集成材は一品生産となり、部材コストが高くなります。
トラス工法のメリット・デメリット
「大きなスパンを構成するメリット」
20mを超える無柱空間が可能です。
小さな部材の組み合わせですが構成が複雑になるため最上階・平屋に適します。
イメージとしては体育館や講堂・ホールなどです。
また、トラス構造では極端な大断面は使用しません、通常一般流通材を利用しますので部材コストを抑えることができます。
「加工・設計コストがデメリット」
部材が多く、また接合金物なども大断面と比較して増えますので加工費や設計にかかる費用も多くなりがちです。
双方を比較検討
どちらかの工法が優れていることではありません。
それぞれの建物で要求される条件は違います。いろいろな要素が絡み合うため、初期段階からの構造計画が必要になります。
意匠計画だけ先行ではだめ、意匠と構造・法規を合わせて同時進行していく設計の体制が不可欠です。
ご検討の際にはぜひご相談ください。
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