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非住宅木造の現在地 2 木造化のデメリットと対処方法

非住宅の木造化にはメリットがたくさんありますがメリットを語る前にデメリットとその対象方法をお話しします。

 

木造化の大きなデメリット2つと、業界の構造的問題によるデメリットとそれに対する考え方、対処方法をお伝えします。

 

その1:遮音性の課題

木造はRC造(鉄筋コンクリート)に比べ大きく遮音性能が劣ります。

S造(鉄骨造)に対しても遮音性は一般的なつくりであれば劣るといえます。

 

RCに対しては躯体の素材そのものの比重が軽い為、S造に対しても床にコンクリートを使わない為、床に対して比重が軽い為、上下階の遮音が弱点になります。

オフィス・集合住宅など静粛性が求められる用途では設計時からの注意が必要です。

 

遮音性の対処方法:壁に対しては壁内部を空洞にせず、内部間仕切りであってもロックウールや、セルロースなど比較的比重の重い断熱材を充填します。

また、壁下地も強化石膏ボードの2重張りや、壁厚を大きくとり、間柱を千鳥に組むなど大きく遮音性が挙げられます。

 

床に対しても、2重床や厚い遮音マットの採用や床仕上げをカーペットにするなど仕上げでも工夫できます。また床だけではなく階下の天井上に壁と同じく比重の重い断熱材の充填や天井下地の2重張りを行いながら吸音性の高い仕上げ材を施工するなどで対応します。

 

コンセントや照明開口からの音漏れを防ぐためにシールを怠らない、開口が必要なダウンライトは採用しない、ジョイント部分はシールをするなど手間はかかりますが、木造であっても快適で静寂な空間をつくることができます。

 

また、少し特殊な対応策とはなりますが、昔からの壁素材である「土壁」を採用するとその比重の大きさや吸音性能から驚くほどの静寂性が得られます。

 

 これらの対処は現場が始まってからでは遅く、設計段階での計画が必須です。

 

 


その2:湿気による劣化という課題

木は自然素材です。

屋外に放置すれば、腐敗し、虫が付きやがて土に還ろうとする素材です。

建物の中でも水に常時掛かるようであれば同じことが起きます。

 

 直接水がかからなくても湿気により腐朽菌の発生やシロアリといった生物劣化が考えられます。

これらを防ぐことで木造であっても適切な管理の下ではRCS造に対して見劣りしない性能の維持が可能です。

 

雨掛り対しては敷地条件が許す限り軒の出を確保し、直接外壁に雨がかかることを防ぎます。

その上で躯体の外で通気層を設け、湿気も排出される工夫をします。

万が一壁内に湿気が入り込んでも排出される工夫が大切で、壁内結露も防ぐことができます。

外壁にはそもそも内部からの湿気も入らないように気密処理が大切です。

 

基本的に大切なのは設計段階で雨水の進入を防ぐディティールを考えることと、壁内結露に対する正しい対処方法をとることです。

 

これらの対策も設計段階からの計画が大切で、メンテナンスも考えた点検しやすい工夫を行うことでメンテナンスコストを抑えるとともに長寿命化につながります。

 

 


その3:業界の構造的問題:設計者・施工者不足

 

非住宅木造は成長分野であり、今後需要は伸びていくと考えますが、その担い手である設計者・施工者不足は否めません。

 

木造の経験はあるけれど、非住宅規模の木造は設計したことがない。監理したことがない。工事もしたことがない。今まで木造を学んでこなかった。

 

設計者が十分な対応能力があっても施工者の経験不足で現場がうまく廻らないなどもあります。

設計者や施工者の経験不足が結果として工期遅延やコスト増につながる可能性があります。

 

ゼネコン系の会社が請けた場合の多い弊害として、主である木工事、工事の大半にかかわる大工工事を単なる外注先の下請け業者として捉えるため、主であるはずの大工工事がリーダー不在のままとりとめもなく、責任感もなく進んでしまい工期や性能にマイナスの影響が出てしまうケースも見受けられます。

 

このような課題解決に最も効果的なのは、プロジェクトの計画段階から木造非住宅の実績があり、専門的な知見のあるパートナーを選ぶことです。

 

 プロジェクトの計画段階から設計者のみならず、加工工場、構造専門家、製材、施工者がチームになり、建築法規や構造をクリアーしながら加工や製材の調整も行う、手戻りのないプロジェクト進行が可能になります。

 

 

全て経験豊富なメンバが組めるとは限りませんが、仮に経験不足な施工者であっても専門家のチームの知見を活かすことでデメリットを乗り越えプロジェクトは成功につながるものと考えます。


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