古民家再生
古民家再生

古民家 延命・再生

「もったいない」と思うも美学

古い建具と卵色の漆喰
古い建具と卵色の漆喰

「今の暮らしに合わせる大切さ」

例えば使い古した手ぬぐいがあります、汚れてきたので雑巾となり、さらに使い込めば糸もほぐれやがて土にかえります。

 

古民家という新建材が使われる前に建てられた住まいの素材はやがては土に還すことができます。人の手によってつくられ使い込まれた住まいを大事にしたい、再生したいという気持ちは「もったいない」という美学なのかなと思います。

 

年間にして12件程度ですが古民家の再生、延命に携わることが増えてきました。

依頼されるきっかけは「暮らしの変化」

 

世代が変わる節目であったり介護が必要になる状況であったり様々ですが、単純に設備の交換程度ではなく、間取りの変更から温熱環境の整備(暖かくしたい)という根本的な暮らしにまつわる問題解決を求められます。

 

 多くの古い建物の場合、必ず傷んだところがあるので部分的に修復したうえで、間取りの変更や設備、内装に手を加えていきます。

 

 


和紙に漆喰、布クロス、杉
和紙に漆喰、布クロス、杉

 

 通常一番修復が必要になるのは家の北側、土台から交換し修復することが少なくありません、さらに柱の下部も切断し接ぎ木という接骨院みたいな仕事にもなります。

 

 またそのようなケースでは家自体が傾いて、一部沈下しているケースもあり、ジャッキアップして家を持ち上げ、土台を交換し、基礎を作り直すこともあります。

                                                    

 古い建物、古民家といわれるくらいの建物の場合は何度も改修されていることが、手を入れていくとわかる場合があります。すでに先人が柱を接ぎ木していたというケースもあり、修復の仕方に勉強させられることもあります。

 

 

 また間仕切りも後から設置されていることも多く、間取りの変更は比較的自由になります、古民家の場合、基本構造はほぼ変えることができませんが、その枠に中であればかなり自由に暮らしに合わせることができます。


採光通風に天窓を開ける
採光通風に天窓を開ける

耐震に関しては現代の考え方とは違う工法で造られていますが、文化財と違い暮らしの場では人命の安全を確保するという考え方から筋交いや金物を使用し、倒壊しない処置が必要になります。

 

温熱環境に関しては床壁天井の断熱処理は必要です。また気密性を上げるためにアルミサッシや木製サッシのぺアガラスなども使い、隙間風も防いでいきます。

必要なのは現代の暮らしに合わせるということ、場合によっては床暖房なども使い、快適に暮らせるようにします。古民家だから寒くても我慢では末永く暮らすことはできません。

 

古民家だから昔のように暮すではなく、古民家で今様に暮らすが正解です。

 

 ますます省エネが進む世の中です、エネルギー消費も抑えてこそ古民家に暮らす「もったいない」の美学が生きてくるとそう思います。

 

 もう一つ大切なことがあります。

 

それは地域で造られ、修繕を重ね、時代を生きてきた建物にはやはり地域の材を使うということ、サスティナブルであることを強く主張するのではなく、「そこはあたりまえ」今まででそうしてきた建物です。

 

 今回の修繕もそこは当たり前、土にかえる地域の素材をできるだけ使い、「もったいない」の気持ちを伝えていきたいと考えています。


歩いて5分でこのロケーションです。

川の近くという不安は少しあるけれど、川と共に生きていきます。

 

東京都北区からの移住です。

ご主人は有機農業を学ぶために1年前から週末小川町生活をしています。

定年後の移住と考えてきましたが、昨今の働き方の変化で通勤に融通が利くようになり、計画よりも早く移り住むことになりました。

 

自然エネルギーを利用しながら自立循環型の住まいを目指します。

極力自然エネルギーを使いながらも快適性や利便性も向上させ、暮らしのエネルギー消費を抑えていきます。

自然エネルギーのポテンシャルと省エネ機器を注意深く組み合わせてまいります。

 


2025.4 基礎工事が始まりました。

配筋工事といいます。

後からは見えなくなってしまう工事です。

間違っていても基礎を壊さない限り治すことができない工事です。

なのでこの段階で慎重に検査を行います。

 上端の3本は上端主筋で13mm主に引張に耐えます。中央部はあまり応力が作用せず、鉄筋を整える程度で10mm1本、スラブ配筋としつ土間高さに13mmを1本、下端主筋に13mmを3本、立ち上がりは溶接しないのでフックを付けて上端主筋を抑えます。
木造基礎でフックをつけると梁巾が150程度なので精度良くしないと被りが不足することがあり、注意が必要です。
この鉄筋屋さんはわかっていて斜め方向にフックをつけています。
正しい加工方法です。

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