12・ 目ざわり と 手ざわり

感覚を大切に

12:目ざわり と 手ざわり

 

 手触りは説明するまでもありませんが、目触りとは普通言いません。

目ではものに触れませんから私の造語です。

国語的におかしいのは判っていますがまあ聞いてください。

 

  沢山の経験をしてきた大人の目は見ただけでその質感をイメージできます。

「なんだか冷たそうだな」

「ぶつけたら痛そうだな」など視覚で感じます。このことを私の中では「目ざわり」と言っています。

 

 ガラス張りの家や、コンクリートの打放しの家はスタイリツシュでかっこいいと思いますが、どうしても私の目は住まいとして考えたときに「居心地」の点でいい評価が出ません。

 

もちろん沢山の選択肢の中から意図することがあって選ばれたつくり方ですから住まいとして違う。などと言うつもりはありません。

あくまで個人的思いとして「目ざわりがいい」住まいが居心地いいのではないかと考えています。

 

 また、目でイメージしたことを人は触って確認したくなります。

冷たそうなコンクリートに触って熱かったらびっくりします。

イメージ通りに冷たいとやっぱりな、と安心しますよね。

 

 住まいの中で一番手が触れる場所はどこか考えます。

まず玄関ドアの取手

リビングドアの取手や引手

階段の手すり

水洗金具などでしょうか、「手ざわり」が良いものには自然と愛着が生まれると思いますが、いかがでしょう。

 

物を選ぶ時に、まず触ってみる、持ってみるという行為を通して物を評価し、自分に相応しいかどうか判断することがありませんか。

 

 


愛着につながる手触り

 住まいの中に「とっても手ざわり」が良いものをしつらえたいと思っています。

 

 たとえば玄関ドアの取手、何気なく触れますがそれは毎日のことです。

触れる、握る機会としては一番多い場所ですから、造作ドアや造作引き戸にして握りやすく「とっても手ざわりがよい」取手をつくり、手のひらからそのドアへ、そのドアからその家への愛着を深めてもらいたいと思います。

 

 ただ残念なのは造作系の建具屋さんがつくるドア関係は気密等級など長期優良の基準に合わず使いたいのに使えない、という事態が多いことです。

そんな時は仕方がないので、リビングドアや階段手すりでなにか特別に「手ざわり」がよいものを考えていきたいと思います。

 

「手ざわり」が良いものは愛着が持てる。「目ざわり」「手ざわり」が良い住まいは居心地が良い住まいになる。

こんな考えですがどうでしょう。

 

 

 

玄関ドア用取っ手プロトタイプ 杉赤身36mm 無塗装(盟章建設)

使い始めて1年なかなかいい感じです。

丸よりも手が掛かりやすい。

36mmは子供の手にも大きすぎない。

たぶん古くなってもいい感じでしょう。

 

 


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