60からは平屋で暮らす 川越の家  竣工2023.5

60歳も中盤で家を建てるということ

人は年齢を重ねていく中で、家庭環境の変化や、健康・体力の変化とともに暮らし方家での過ごし方も一緒に変わりながら人生に折り合いをつけていくものだと思います。

これからの人生を共に歩む器としての家も今までと同じである必要はない。

あと20年・25年暮らすとなれば今決断するべきではないか、5年後、10年後ではたぶんできない。

幸いにも引き継いでくれそうな次の世代もいます。

次の世代に負担を掛けず、今後の生活にどう折り合いをつけるか、そんな貴重な「住まいの設計の時間」をいただきました。

 

60からの住まいで思うこと

今回の住まい手さんと悩みましたが、60からの住まいには2つの方向性があると考えています。

 

当然今後の収入は減るという現実を考えるときに、一つはあと20年で使い切る感覚でとにかくコストを掛けないで、お金は生活費や余暇に廻す。

もう一つは、より価値を高め身体的に住めなくなったときにも、高く貸すことができる。高く売ることができる。次の世代が住みたいと思ってくれる。

査定価値としてはほぼ無いであろう古民家が比較的高く売り買いされるイメージです。

 

60歳からでは住宅ローンを組みことも難しくなります。

ほぼ自己資金となりますし、今後の収入はあてにはできません、そこで大切なのは今後の生活をお金の面でシュミレートし、長く付き合えるお金の専門家、今回は私の友人のファイナンシャルプランナーに生活設計を建ててもらいながら、自分たちの生活が破綻することなく、家は次の世代が負担なく引き継げることを目指していく方向となりました

 

 

個性的になりすぎないようにでも手触り足触りは大切

設計のコンセプトは地域の素材を使いながらシンプルで開放的なつくり。

いつもの当事務所のスタイルですが、個性的になりすぎないように外部も内部も配慮しています。個性が強すぎる家は建てたその人に家になってしまい、引き継ぐことが難しい場合があります。

梁や柱を室内に現わしにしても民家調にならないように気を付けてバランスを取ります。

床は桧、壁は漆喰と杉板、天井は和紙を張りました。

毎日毎日、肌が直接接する床や壁や柱の素材感はとても大切、手触り足触りこれには特別な配慮が欠かせません。

 

素材のコラム

 

目ざわり手触りコラム

 

ほんのわずかな快適さを大切にしたい。

自然の空気の流れはほんの僅かなもの、気にしていなければ気が付かないかもしれません。

僅かな快適さにコストを振り向けるのかと悩むときもありますが、その土地の良いところを見つけ、やはり活用したいと思います。

 

暑さが厳しい埼玉ではエアコンは必須ではありますが、部屋の中を流れる風の快適さも味わえたらよいなと思います。

そんな和時価な快適さを求めるために大切なのは、躯体の断熱性能です。特に夏場の屋根面の過熱による輻射熱はできるだけ防がなければなりません。

2重垂木や厚い断熱などで屋根面の輻射熱はかなり遮ることができます。これはとくに平屋では大切なポイントです。

 

断熱関係のコラム

 

建物データ

建設地:川越市山田

竣工:2023.5月 

床面積:≒109㎡ ≒33坪

設計期間:≒6か月 工事期間:≒6か月 

 

設計・管理:株式会社アーキクラフト

建築施工:有限会社 飯田建築 入間市

 

建物仕様

構造材:ほぼ全てときがわ町(杉・桧)低温乾燥材

仕上げ材:和紙・漆喰・杉板・檜板 一部メーカー建具等

 

 


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